少ないリソースから価値を最大化。経営者の強みを活かした事業体制を構築する〜ビズクリサポート支援事例〜
企業情報
| クライアント: | ロボタスネット社 |
| 業種: | 小売業・コンサルティング |
| 従業員数: | 5名以下 |
| 事業内容 | 介護施設・物流業・製造業などへのアシストスーツの販売やコンサルティングを通じて、現場の腰痛対策・労災予防を支援している。 |
| 支援したビズクリサポーター: | 前山翔平 |

支援概要
| 支援期間: | 約4カ月 |
| 面談時間: | 7回 |
| テーマ: | M&Aに伴う事業基盤の再構築 |
導入の背景
M&Aによって上場企業のグループに加わったロボタスネット社。新しい体制のもとで事業を成長軌道に乗せるため、経営や業務の統合プロセス「PMI(※)」の作業を進めていました。
経営者さまは、理学療法士としての臨床経験を持つ専門家でもあります。身体に関する深い知見をもとに、主にアシストスーツの販売を通じて介護を中心とした支援の場で働く人たちの腰痛や転倒のリスクを軽減する支援を行ってきました。
しかし、どのように事業を拡大していくべきかに悩まれていました。実際に製造業、介護業、運送業、倉庫業など様々な業界に全方位的にアプローチする中で、限られたリソースが広範囲に分散してしまい、訴求力が弱まっているという実感があったといいます。
M&Aにより事業の基盤を再構築する機会が生まれたことを活かし、ロボタスネット社の経営者さまは「限られた資源を、何に・どう集中させるか」「何を事業の軸に据えるのか」といった経営戦略を描き直すことを決意しました。
(※)PMI……Post Merger Integrationの略。合併や買収の成立後に行う経営・業務・意識の統合活動のこと。シナジー効果の最大化を目的とする。
ビズクリサポーターの選び方
ロボタスネット社が選んだビズクリサポーターは、ビジネスモデルの策定やマーケティングを得意とする前山翔平氏でした。
前山氏は、かつて通関士として働いていた経歴を持ち、物流の実務に精通している人物です。同社がターゲットとして想定する物流・倉庫業界へアプローチするにあたり、現場ならではの商流や課題を熟知している前山氏に大きな期待を寄せました。また、事業の基盤を固め、着実に売上を伸ばしていくことを目指す同社にとって、前山氏の豊富な知見や強みは課題解決に最適だと感じたといいます。
支援内容

前山氏は、まず外部環境の分析やSWOT分析を通じて、ロボタスネット社の立ち位置を客観的に整理・整頓していきました。そこで、他業界と比べて腰痛が発生するリスクが高く、最も事業機会が大きいと見込まれる倉庫業にターゲットを絞り込む方針が立てられました。その後、具体的な施策をロボタスネット社と一つずつかたちにしていったのです。
最初に取り組んだのが、当初の課題だった「何を事業の軸に据えるのか」といったテーマの検討でした。従来は、アシストスーツの販売を事業の主軸としていました。しかし、このビジネスモデルは、他社との価格競争に巻き込まれやすい上、利益率も高くありません。また、経営者さま独自の経験や専門性を十分に反映したサービスになっていないという側面もありました。そこで、収益性が高く、社長の強みを最大限に発揮できる体力測定やコンサルティングといった要素を取り入れる方針へと転換したのです。
それに併せて、顧客への提供プロセスも設計しました。まず、開発した体力測定システムによって顧客の潜在的な課題を可視化し、そのデータをもとに経営者さまが専門的な知見を活かしたコンサルティングを実施。最後に、アシストスーツを含めた腰痛改善、労働者の安全衛生対策を支援するソリューションを提案して課題解決を図る、といった流れです。
一方で、企業における腰痛・転倒リスク対策は、各社が積極的に導入を進める時期にはまだ至っていません。そこで、ここまでの検討で定めたターゲットと経営資源の配分はそのまま維持しつつ、市場へのアプローチ手法を見直すことにしました。人手をかけた積極的な営業活動に資源を割くのではなく、Webからの流入を増やし、関心を持った企業からの相談を起点に動く体制へと切り替えたのです。今期の反応を見極めながら、市場が動き出す来期にはすぐに次の一手を打てるよう備えていく。そうした中長期の視点に立った判断でした。
この戦略は、将来的な事業拡大を見据えたものでもあります。全国の理学療法士に向けた体力測定システムのライセンス販売、全国から収集・蓄積した身体データを活かしたビッグデータプラットフォームの構築、蓄積したデータを活かした最適なアシストスーツ開発など、スケール可能な事業へと発展できる仕組みを構築しました。
成果
取り組みの方針を検討・精査しながら、現在では徐々に計画から実行のフェーズへと移行しつつあります。構築された営業のプロセスを実践し始めた段階ではあるものの、すでに少しずつ手応えを得られているといいます。たとえば、設定した倉庫業というターゲットに対して、大手企業でのテスト導入が決定しました。そこで高い評価を獲得したことで、関連する案件の受注にも結びついています。
また、伴走支援を受けることで、経営者さまの考え方も大きく変わったといいます。「あれもこれも」と手を広げるのではなく、限られたリソースを絞り込み、実績を積み上げていくという判断軸を持てるようになりました。
今後、さらに計画を実行する中で、戦略や施策のブラッシュアップを行っていく予定です。

クライアントの声
様々な提案をいただきましたが、最もありがたかったのは、私たちがこれまで実践してきたことの価値を、事業としてより広く整理できたことです。これまで取り組んできた内容が、体力に不安のある方の採用ミスマッチ防止や、高年齢労働者の安全対策にも展開できることがわかりました。また、そうした価値が企業からも求められていることについて、倉庫業の内情に詳しいビズクリサポーターから後押しをいただけたことも、大変ありがたく感じています。
ビズクリサポーターから一言
私がコンサルティングで最も意識しているのは、経営の歪みを見つけ、是正することです。「どんな経営資源があるか」「どんな商品・サービスをつくるか」「どんな顧客を想定するか」といった、それぞれの要素の整合性が取れているときにこそ、成果が出ます。
ロボタスネットさまの支援でも、「経営者さまの強みが最も活きるサービスは何か」「その価値を最も必要としてくれる顧客は誰か」を整理・整頓し、一貫した流れをつくることを心がけました。
ただし、どれだけ精緻に戦略を構築しても、それが正解かどうかを判断するのは、私たち支援者でも経営者さまご自身でもなく、サービスを享受する顧客です。これから生まれる成果をもとに、顧客が何を求めているのかにアンテナを張り、戦略や施策をアップデートできる体制づくりを支援できたらと思います。
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