身につけた知識をどうやって活かす?企業内診断士の資格活用のヒント

およそ半数の企業内診断士が資格を活用できていない?
とある調査によると、企業内診断士に「現在、資格を活用できていますか」と尋ねたところ「ほぼ活用できていない」「まったく活用できていない」と回答した人数がほぼ半数にのぼった、というデータがあります(※)。
もちろん「企業内診断士」と一口に言っても、「自社で専門知識やスキルを活かす」「副業にチャレンジする」など、その活動の仕方はさまざまです。ここでは、社内と社外、それぞれの場面における診断士資格の活かし方をお伝えします。

社内で診断士資格を活かすには?
まず社内で診断士資格を活かすパターンです。中小企業診断士の資格取得プロセスの中で身につける経営ノウハウは、さまざまな場面で役に立ちます。
たとえば、法人営業として商談の質が上がる、新規事業部門や経営企画部門など組織や事業全体を見渡す部門へ異動する、顧客に出向して組織の基盤づくりを担う、自社の研修を担当する、といったケースがあります。
実際に診断士資格を取得したことが知られると、周囲からの期待値が変わることもあるでしょう。「中小企業診断士だったら、このプロジェクトに入ってほしい」と、それまでなかったようなアサインが生まれた、というケースも少なくありません。
仮に経験したことがない分野の業務であっても、社内外の専門家の支援を得ながら進められることがポイントです。そのように“司令塔”として調整・コーディネートしながらプロジェクトを遂行することも診断士業務を行う上で欠かせないスキルのひとつです。
中には、「社内で中小企業診断士の認知度が低い・適切な評価がなされない」と悩むケースもあるかもしれません。そんなとき、まず身につけた知識を身近なところから還元する、という方法を取って状況を打開したケースもあります。とある診断士は、社内の若手向け勉強会にて講師を務めることで、経営ノウハウを社内に還元し、評価を得ていったそうです。

社外で診断士資格を活かすには?
副業解禁の流れも進んでいる今、社外で診断士資格を活かすのもひとつの手です。その際、多くの診断士が人的ネットワークによって案件を獲得しています。
一般社団法人中小企業診断協会(現・日本中小企業診断士協会連合会)が実施した令和3年度「中小企業診断士活動状況アンケート調査」結果によると、「中小企業支援機関・商工団体等からの紹介」「他の中小企業診断士・団体からの紹介」「県協会からの紹介」「現在や過去の顧問先企業からの紹介」などが上位を占めています。案件を紹介してくれる中小企業診断士同士のコミュニティはもちろん、直接のクライアントになりうる経営者が集まるコミュニティにも積極的に参加していくのもよいでしょう。
また、案件を獲得する際には、「理念構築」「M&A」のような慎重な経営判断が求められる大きなテーマよりも、まずは「補助金申請」「デジタル化」「採用・育成」といった多くの経営者が悩みを抱える身近なテーマから支援し、顧客との信頼関係を深めていきながら、徐々に経営の根幹をつくる支援に広げていくのもひとつのアプローチです。
新たに身近なテーマを学ぶのもよいですが、「人事」や「情報システム」などすでに身につけている自らのバックグラウンドを活かせるテーマがあれば、それらを活かすとよいでしょう。

コンサルタントと経営者とのマッチングサービスに登録する
今、世の中ではコンサルタントと経営者とのマッチングサービスも増えています。
「長期的な目線で経営に伴走してほしい」「スポットでプロジェクトの支援を行ってほしい」といった経営側のニーズに対応したサービスや、「DX人材とのマッチング」「新規事業開発を得意とする人材とのマッチング」「海外関連のプロジェクトを得意とする人材とのマッチング」といった得意領域に特化したサービスなど、その種類はさまざまです。
自分の経験やスキルが活かせそうなサービスに登録して副業にチャレンジするのは、ひとつの手段と言えます。
当サービスでも、「ビズクリサポート」というマッチングサービスを提供しています。独立診断士として経営支援の第一線で活躍し続けてきた青木宏人氏が監修するメソッドを身につけた診断士が自らのスキルや経験も活かしながら、オンラインで全国の中小企業経営者を支援するサービスです。
まだ十分な実務経験を積むことができておらず不安を感じている企業内診断士も、青木宏人氏らが開発した「ビズクリメソッド実践講座」を修了し、認定コンサルタントとして認められれば、実際に経営支援の現場に立つことができます。
また、今後はビズクリアカデミー(仮称)として、中小企業の経営支援ノウハウを共有する場を設ける予定です。人的ネットワークが広がっておらず案件獲得の足がかりを見つけられていない企業内診断士も、ビズクリアカデミー(仮称)のコミュニティの中で、新たな案件を紹介してもらう機会も生まれることでしょう。
上記で述べたような事例は、あくまで企業内診断士のキャリアの一例です。自ら機会をつくろうとする姿勢があれば、ここに述べたようなケースとは異なる、全く新しい診断士資格の活用方法を見出せるかもしれません。中小企業診断士コミュニティやビズクリのようなサービスの力を借りながら、キャリアを構築していただけたら幸いです。
(参考)
・一般社団法人 中小企業診断協会 企業診断ニュース2020.03 「特集 企業内診断士4つの選択―企業内・副業・転職・独立 第1章 アンケートから迫る企業内診断士の実態」佐藤 和哉 東京都中小企業診断士協会中央支部
・「企業内診断士の実態調査 -現状と活躍の可能性について」平成 30 年 3 月 関西外国語大学 川村 悟
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