「補助金を取れば安心」は大間違い!?ビズクリサポーターが語る補助金申請の落とし穴と活用のコツ
2025.09 29
  • Writing

    Takumi Kobayashi

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    Thesaurus inc.

「補助金を取れば安心」は大間違い!?ビズクリサポーターが語る補助金申請の落とし穴と活用のコツ

事業拡大や新規事業立ち上げを検討する際、多くの経営者が注目するのが補助金。「事業再構築補助金」「ものづくり補助金」「事業承継・引継ぎ補助金」「IT導入補助金」「小規模事業者持続化補助金」……こうした5大補助金の名前を耳にしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、「補助金があるからこの事業をやってみよう」という発想では、実は失敗するリスクが高いことをご存じでしょうか。
今回は、ビズクリサポーターとして活動し、補助金申請支援も手がけてきた中小企業診断士の倉島さんに、補助金申請の現実と成功のポイントについて伺いました。

「補助金を取れば安心」は大間違い!?ビズクリサポーターが語る補助金申請の落とし穴と活用のコツ
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倉島 悠輔

倉島 悠輔 くらしまゆうすけ

中小企業診断士、行政書士、健康経営アドバイザー、認定経営革新等支援機関
大手警備会社、大手保険会社グループの法務として活躍後、中小企業診断士として独立。経営戦略策定、ビジネスモデル検討、補助金申請などの支援業務を手掛ける。「co-driverとして、同じクルマに乗り込み、一緒に問題を発見・解決し、ゴールを目指して走る」がモットー。

Q.実際、どうしたら補助金を獲得しやすくなるの?

A.補助金を獲得するには、経営戦略の構築が不可欠。

補助金を獲得するために最も重要なのは、しっかりとした経営戦略があることです。

補助金申請では事業計画書の作成が必要になります。その過程では、3C分析やSWOT分析などのフレームワークを使った現状分析を行い、補助金を使ってどのように会社を成長させていくのかの経営戦略を構築していきます。この経営戦略が重要であり、これが明確であればあるほど、説得力のある事業計画が作成でき、採択率も高まるのです。そのため、私がご支援する場合には、ビズクリメソッドを用いながら、10年後にどのような会社になっていたいのかというところから紐解いて、しっかりとした経営戦略の構築をお手伝いしてから、補助金向けの事業計画書作成とさせていただいています。

補助金の獲得は、目的ではなく手段。「すでにこの事業をやると決めていて、補助金があるとよりやりやすくなる」という状況でないと、補助金申請に必要な事業計画書そのものが漠然としたものになり、採択される可能性が低くなってしまいます。
実際に、私が支援して採択された案件では、「補助金はなくても融資を得る準備はできている。ただ補助金があればより事業として楽になる」というクライアントがほとんどでした。

Q.補助金を獲得しても、入金までのキャッシュが持たない……!

A.必要に応じて融資などの方法も。資金繰りはビズクリサポーターに相談もできる

補助金制度の大きな課題の一つが、採択されてから実際に入金されるまでのタイムラグです。補助金によっては採択後に1年ほど期間が空いてしまうこともあります。
この問題に対応するには、主に3つの観点が必要です。

  1. 事前の資金計画策定
    補助金申請に必要な事業計画書には「交付されるまでの期間の資金をどうするのか」といった項目があるケースが多いです。自己資金なのか、融資なのか、予め明確にしておく必要があります。
  2. 現実的な資金繰り表の作成
    資金計画を策定するにあたっては、いつ・どのくらいのお金が入ってくるのか、もしくは、出て行くのか、把握する必要があります。中小企業診断士に相談すると、資金繰り表を作成しながら、キャッシュが減ってしまうタイミングを確認することができるでしょう。
  3. 融資の検討
    必要に応じて融資を検討することも1つの手段です。金融機関によって、補助金が採択されれば交付されるまでの間一定金額を貸してくれる制度もあります。資金の状況に応じて活用することをおすすめしています。

重要なのは、最終的に補助金が出るかもしれないとはいえ、結局自己資金、あるいは融資を受けなければ始まらないということです。補助金はあくまでも事業を後押しするものであり、事業の前提条件にはならないという認識が必要です。

Q.ダメ元で申請した補助金が採択されたから、事業を始められそう!

A.モチベーションが続かなくて苦しむ可能性も。「補助金が取れたから、この事業に取り組む」では続かない!

補助金申請において最も避けるべきは、補助金ありきで事業を計画することです。

「棚からぼた餅」で始まった事業は、「どうしても実現するんだ」という強い意志がないので、上手くいかないときに突破力が生まれず、継続性に乏しくなってしまうことが少なくありません。採択したあとの報告義務を果たせなくなってしまうと、補助金を返還しなくてはいけないケースもあります。

補助金が獲得できたから上手くいく事業があるのではなくて、そもそも上手くいく事業の中に幸いにも補助金が加わった、というのが補助金事業の思想なんです。

まとめ:ビズクリサポーターと一緒に、経営戦略を見直すきっかけを

全国で整備されている補助金は、3,000以上にも及びます。省庁や地方自治体など、補助金制度を運営する主体もさまざまで、専門家でなければ知らない種類も多くあります。
いかに自社に最適な補助金を選択できるかどうかは経営戦略の有無に大きく左右されると言えるでしょう。確固たる経営戦略があり、事業計画やビジョン、コンセプトが明確になっていることで、必然的にアプローチできる補助金が絞られ、申請書類もスムーズに記入でき、結果的に採択の確率が高まるのです。

期限が近づいてから申請を検討するケースもあるかと思いますが、活用方法によって補助金は経営戦略を問い直す良い材料にもなるとも言えます。事業計画や資金繰り計画など、一度経営のあり方を問い直すきっかけにもなります。

また、その際には経営戦略を共に考えてくれる支援者を活用するのもおすすめです。ビズクリサポートは企業成長という本来の目的に向けて、経営者のみなさんに伴走します。

補助金の採択はゴールではなく、あくまで事業成長を支援するツールの1つ。まずは確固とした経営戦略を構築するところからスタートしましょう。私たちビズクリサポーターは、そんな経営者の皆様の中長期的な成長を支援します。

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