無から有を生む工夫がイノベーションを生み出す
伊藤 一彦 いとうかずひこ
IT営業の人材を育成し、大手企業に派遣するIT営業アウトソーシング事業と、介護レクリエーションというユニークなアプローチのヘルスケア事業を展開するBCC株式会社を経営する。2021年に東証マザーズに上場。「経営戦略を立て、実行する」。そんなシンプルなルールを忠実に実践することで、着実な事業成長を実現してきた。地域のビジネスコンテストの審査員やアクセラレーションプログラムのアドバイザーとしても活躍し、経営の鉄則を伝えている。
成功している経営者たちはなにを意識しているのでしょうか。
経営の成功者たちに、ビジネスを展開する上で大切にしているマインドについて語っていただきます。
ないのが当たり前
多くの経営学の書籍に「創業精神」を共有することが大切であると書かれている。
では、その「創業精神」とは、どのようなものなのだろうか。
創業の年からいっしょにがんばってくれているメンバー達に聞いてみたところ、
その答えの一つが見えてきた。
それは「ないのが当たり前」ということである。
創業の頃は、企業の経営に必要とされる人・もの・金・情報の全てがなかった。
まさに「ないのが当たり前」だった。
それが最近では、こんな会話が聞こえてくるときがある。
「これをやろうとすると、こういう人材が必要だ。」
「この計画を進めるためには、これを買わなければならない。」
「この事業を開始するためには、これだけの費用がかかる。」
つまり、何かをはじめるときに「これがあればできる。」という条件がつくのである。
「これがあればできる。」逆に言うと「それがないとできない。」ということでもある。
でも創業するということは、何もないところから、
新しい何かを創り上げるということである。
つまり、「ないのが当たり前」なのである。
無から有を生むことは、とても多くの苦労と工夫が必要である。
しかし、この苦労と工夫こそが大きなイノベーション(変革)を生み出すのである。