中小企業診断士 お悩み箱② 「独立するならどんな準備をするべき?」
2024.08 27
  • Writing

    Takumi Kobayashi

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    Thesaurus inc.

中小企業診断士 お悩み箱②「独立するならどんな準備をするべき?」

中小企業診断士の資格を取得し、「いつかは独立して活躍したい」「副業にチャレンジしたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。一方で、「いざゼロから活動していこうとすると、どうすればいいかわからない」という悩みを持たれている方もいらっしゃることでしょう。

連載「中小企業診断士 お悩み箱」は、そんな経営支援の現場に飛び込もうとする中小企業診断士のお悩みにビズクリサポーターが答える企画です。今回の回答者は、中小企業診断士の中でも数少ない経営コンサルティングに特化した独立診断士として、長年経営支援の第一線で活躍してきたビズクリサポーター青木宏人です。

豊富な経験をもとにお悩みに答えていきます。

中小企業診断士 お悩み箱②「独立するならどんな準備をするべき?」
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青木 宏人

青木 宏人 あおき ひろと

株式会社マーケティングアシストプロジェクト 代表取締役社長 中小企業診断士

中小企業診断士として、企業のありたい姿の実現をサポートする。経営者との対話を重視しながら、企業の根本となる経営理念を打ち立て、中長期的なビジョンを策定し、実現のための経営戦略の実行支援を行うというスキームで数々の企業の変革をリードしてきた。丁寧に時間をかけて伴走することで、短期的な売上ではなく持続的な成長を遂げるための企業の”体幹”づくりを可能にする。

今回のお悩み

「独立するなら、どんな準備が必要でしょうか?」

独立はキャリアの大きな転換点ですから、たしかに準備は念入りにしたいものです。もし私が、独立した16年前の私にアドバイスするとしたら、「まずは自分の強みを洗い出し、土台となる理念・ビジョンを明らかにすること」、そして「その理念・ビジョンを追求できる環境を整えること」と伝えるでしょう。

 

自身の価値が発揮される仕事に恵まれ、収入面も安定するためには「この領域と言えば〇〇さんだ」「こんな課題だったら〇〇さんに頼もう」というブランディングが確立されることが重要です。そして、それにはある程度の時間がかかります。
現に独立当初、私も収入が月に8万円ほどで、質屋で腕時計を売ったこともありました。そこから自分の望む仕事が増えて軌道に乗るまで、およそ3年ほどかかっています。

 

その期間を支えたのは「自分は経営戦略の分野で活躍するんだ」という強い意志です。易きに流れて単にお金を追い求めるだけだと、何のために独立したのかわからなくなります。収入が落ち込む中でも、経営戦略の分野で活躍した経営者の本を読んだりしながら、その意志を持ち続けていました。

 

かといって、現実的にお金が全くないと、理念・ビジョンを十分に追うことが難しくなります。私は、金銭的準備はあまりできていませんでしたので、苦労しましたが、1年~2年くらいは収入が安定しないことを想定して準備することが大事かと思います。

 

ただ、当時と比べると、今は独立しやすい環境が整っているとも思います。というのも、16年前は以前の記事で語ったように研究会でのインプットや実践練習こそできたものの、実戦経験を積むことはなかなかできませんでした。でも、今は副業解禁の流れが加速し、独立前から経営支援の現場に立つことがしやすい状況になっています。

 

ある程度、自分の強みを分析し、理念・ビジョンを明らかにしたら、副業にチャレンジする。そうすることで、本業による経済的な基盤を維持しつつ、現場経験をもとに強みを精査したり、理念・ビジョンの解像度を高めたりすることができます。もし私も現在のような状況で独立するとしたら、副業にチャレンジしていたでしょう。

 

今後ビズクリが、そのような独立の準備をできる場にしたいと考えています。さまざまな知見が集まるインプットの場として、支援を求める企業とのマッチングの場として、自分の志を見つめ・技術を磨く場として、独立を目指す中小企業診断士を応援できたらと考えています。

回答!

1.自分の強みを洗い出し、理念・ビジョンを明らかにする

2.家族がいれば理解を得つつ、収入が落ち込むことを見越した金銭的な準備をする

3.副業ができるならば、可能な範囲でチャレンジする

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