中小企業診断士 お悩み箱①「顧客はどうやって確保する?」
中小企業診断士の資格を取得し、「いつかは独立して活躍したい」「副業にチャレンジしたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。一方で、「いざゼロから活動していこうとすると、どうすればいいかわからない」という悩みを持たれている方もいらっしゃることでしょう。
連載「中小企業診断士 お悩み箱」は、そんな経営支援の現場に飛び込もうとする中小企業診断士のお悩みにビズクリサポーターが答える企画です。今回の回答者は、中小企業診断士の中でも数少ない経営コンサルティングに特化した独立診断士として、長年経営支援の第一線で活躍してきたビズクリサポーター青木宏人です。
豊富な経験をもとにお悩みに答えていきます。
青木 宏人 あおき ひろと
中小企業診断士として、企業のありたい姿の実現をサポートする。経営者との対話を重視しながら、企業の根本となる経営理念を打ち立て、中長期的なビジョンを策定し、実現のための経営戦略の実行支援を行うというスキームで数々の企業の変革をリードしてきた。丁寧に時間をかけて伴走することで、短期的な売上ではなく持続的な成長を遂げるための企業の”体幹”づくりを可能にする。
今回のお悩み
「独立を考えているけれど、どうやって顧客を獲得していけばいいのか不安です……。」
たしかにゼロからのスタートだと不安かもしれません。参考までに、私の経験を踏まえて顧客の獲得の仕方を考えてみたいと思います。
私自身、独立時に「これまでの業界から離れて、新たな世界で自分を試したい」と決め、あえてコネもツテもないまっさらな状態から事業をスタートさせました。
顧客獲得に大きく寄与したのが、研究会への参加です。研究会は、中小企業診断協会の会員向けのものもありますし、各地域の中小企業診断士が個人的に運営しているものもあります。私が参加した研究会は、経営コンサルタントとして独立している中小企業診断士が多かったですが、企業に勤めている企業内診断士も多く、「自分の会社でこのテーマの研修講師をしてくれる独立診断士を探している」という方も少なくありません。また、独立診断士でも顧客から得意ではないテーマについて相談を受けていて、一緒にサポートしてくれる診断士を探しているという方もいます。実際、私自身、今は自分が得意でないテーマで仕事の要望があった際には、研究会や勉強会で知り合った方を紹介するケースが多いです。中小企業診断士コミュニティでは、仕事を紹介し合うカルチャーがあるのです。
ただ、漫然と受け身で研究会に参加しているだけではいけません。研究会は「マーケティング」や「デザイン経営」など、さまざまなテーマがあり、参加者同士でトピックを持ち寄って発表し合います。ぜひそこで発言の機会をつくりましょう。自分は何に関心があって、何が得意なのかをアピールするのです。
私のもとには「仕事のチャンスを掴めない」と相談に来られる方もいますが、そうした方の多くは自らをアピールするアクションが圧倒的に足りていません。逆に言えば、自らを知ってもらうアクションを多く取れた人には、それだけチャンスが舞い込みやすくなると言えるのです。
そして、頂いたチャンスには全力で応えてください。たとえ荒削りでも、一生懸命顧客のことを考え、資格取得にあたって学んだことやご自身の経験やスキルを踏まえて支援できれば、きっと価値を残すことができるでしょう。それができれば、同じ企業の別件を依頼されたり、他の企業に紹介してもらえるチャンスが生まれます。そうして、顧客基盤が形成されていくのです。
また、成果を挙げるには、力の注ぎ方も大切です。ぜひ「どんなテーマを追求し、どんなスキルを伸ばしたいか」という自己分析を併行して行ってください。私はじっくり自己分析して「経営戦略」という軸で活動していくと決めたことで、アンテナが張られ、覚悟が宿り、取り組みにも力が宿っていくようになったと思います。
回答!
1.自己分析して軸や強みを見つける
2.コミュニティ内でアピールする
3.頂いたチャンスに全力を尽くす
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