ビズクリサポーターが選んだ「経営支援の現場で役立つ本」3選
2024.08 26
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    Takumi Kobayashi

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    Thesaurus inc.

ビズクリサポーターが選んだ「経営支援の現場で役立つ本」3選

資格を取得した後も、さらなる学びを得ようとする姿勢が活躍していく中小企業診断士に欠かせない要素の1つです。活躍している中小企業診断士は、どのような本から学びを得ているのでしょうか。 今回は、独立診断士として経営コンサルティングの第一線で活躍し続けているビズクリサポーター青木宏人に「経営支援の現場で活躍したい」と考える中小企業診断士におすすめの本を3冊選んでもらいました。
ビズクリサポーターが選んだ「経営支援の現場で役立つ本」3選
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青木 宏人

青木 宏人 あおき ひろと

株式会社マーケティングアシストプロジェクト 代表取締役社長 中小企業診断士

中小企業診断士として、企業のありたい姿の実現をサポートする。経営者との対話を重視しながら、企業の根本となる経営理念を打ち立て、中長期的なビジョンを策定し、実現のための経営戦略の実行支援を行うというスキームで数々の企業の変革をリードしてきた。丁寧に時間をかけて伴走することで、短期的な売上ではなく持続的な成長を遂げるための企業の”体幹”づくりを可能にする。

①『実践経営哲学』(松下幸之助 著):経営理念の重要性を実感できる1冊

言わずと知れた「経営の神様」松下幸之助の1冊です。松下幸之助が60余年の経営者人生を振り返り、創業してから一代で世界的企業に育てあげた要因を自ら分析して20項目にまとめています。私自身、独立初期から現在に至るまでバイブルとして16年以上読み続けてきました。

中小企業診断士試験を受験したみなさんは、企業経営理論という科目から学び始めた方も多いのではないでしょうか。そんな多くの中小企業診断士が真っ先に学ぶ科目で、真っ先に出てくるトピックが経営理念です。

そして、この本に出てくる最初の項目も「まず経営理念を確立すること」です。松下幸之助のような偉大な経営者も、何よりも先に経営理念を確立することの重要性を説いているのです。この本を読んでいると「やはり経営理念というのは大切なんだ」「中小企業診断士での学びは間違っていないんだ」と再確認することができます。

1項目ごとに記憶に残る格言と、その解説という構成なので読みやすいのも特徴です。僕はAudibleで1週間に2回聴くのがルーティンとなっています。そのほか項目ごとに完結しているので、「1日1項目」などと決めて自分のペースで読み進められるのもポイントです。

参考URL
https://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-57562-9

②『新訂 孫子 (岩波文庫) 』(金谷治 著):約2500年読み継がれている戦略書の名著

『孫子の兵法』は、紀元前に書かれた世界最古の戦略書だと言われています。戦国時代の武田信玄も孫子の兵法に影響を受けていますし、現代でもソフトバンク社の孫正義氏、マイクロソフト社のビル・ゲイツ氏なども愛読しているそうです。

たとえば、『孫子の兵法』では、できるだけ戦いは避けた方がいいとされています。戦いにおいては、目の前の敵だけではなく常にたくさんの敵がいるため、たとえ死力を尽くして目の前の敵に勝ったとしても、次から次へと敵がやってくる状況では勝ち続けるのは難しいからです。そうした本質を突いた視点は、企業経営ととても親和性があります。

テーマは全部で13篇。ページ数自体は多くなく、本自体は薄くてコンパクトなのですが、内容はとても充実しています。『孫子の兵法』では、はっきりと答えを提示しません。自分で考える余白を持たせています。「こういう視点は、今自分が支援している経営支援でも大切かもしれない」「この状況に当てはめると、こういうことが言えそうだ」など、常に本と対話しながら自分なりの解を見つけていくのです。

企業経営に通ずる本質的な視点と、読者に解釈の余白を持たせた内容だからこそ、長い間読み続けられてきて歴史に耐えうる1冊になっているのだろうと思います。

参考URL
https://www.iwanami.co.jp/book/b246250.html

③『イノベーションと企業家精神 (ドラッカー名著集 5)』(ピーター・F・ドラッカー著):イノベーションを再現可能な方法で

3冊目は、ピーター・ドラッカーの名著集のひとつ『イノベーションと企業家精神』です。この本は「マネジメントの父」ピーター・ドラッカーの集大成の1つだとも言われています。

ドラッカーは「企業の目的とは、顧客を創造すること」だと語っています。そして、顧客を創造するには、相手がすでに抱えている困りごとにしっかり応えていくマーケティングと、相手が気付いていないような価値を生み出していくイノベーションの両輪を回すことが大切だと言います。

イノベーションというと、それが生まれる瞬間や生まれた後の世界を語りがちですが、この本ではイノベーションが生まれる前の世界について語られます。たとえば、自社にとってチャンスとなる事業機会をいかに捉えるか。高い精度で事業機会を捉える視点や分析する手法を学ぶことができます。
つまりイノベーションを、一握りの天才により偶発的に生まれるものではなく、多くの経営者にとって再現可能な方法で生まれるものにしようとしているのです。

たとえば「市場や社会にインパクトを与えるような新規事業を立ち上げたい」という経営者の支援を行うとき、この本に書かれているようなイノベーションを起こすための体系的な知識はとても役に立つでしょう。

参考URL
https://www.diamond.co.jp/book/9784478066508.html

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