クリエイティブの力で進化し続ける仕組みをつくる。ビズクリブランディングチーム座談会
2024.06 28
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クリエイティブの力で進化し続ける仕組みをつくる。ビズクリブランディングチーム座談会

2024年5月にリニューアルしたビズクリ。このブランディングを推進したのが、クリエイティブチームです。今回話を聞いたのは、ブランドの世界観や戦略を司るクリエイティブディレクターの田中真、Webデザインからエンジニア領域まで幅広く活躍するWebデザイナーの山口聡海、言葉でブランドづくりを支えるコピーライターの小林拓水の3人です。 ビジュアルや言葉などをトータルでデザインすることで、どのようにビズクリを進化させているのか、話を伺いました。
クリエイティブの力で進化し続ける仕組みをつくる。ビズクリブランディングチーム座談会
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田中 真

田中 真たなか しん

シソーラス株式会社 取締役 CDO クリエイティブディレクター

シソーラスのクリエイティブ業務全般における責任者であり、プロセス毎のデザイン開発からアートディレクション及びプロジェクトのクオリティマネジメントを担う。豹柄が好き。

山口 聡海

山口 聡海やまぐち さとみ

シソーラス株式会社 Webデザイナー

Webデザインに留まらず、システムやアプリ開発、プログラミングまで幅広くマルチな才能を発揮するバックエンド寄りのデザイナー。仕事が落ち着くと、びっくりするくらいの長期休暇を取得してヨーロッパへ旅行する、スペイン大好きデザイナー。

小林 拓水

小林 拓水こばやし たくみ

toishi コピーライター

企業の理念を一緒に考えたり、商品やサービスのネーミングをつくったり、ブランドのスローガンやキャッチコピーを書いたり、人や出来事を取材して記事を編んだりと、言葉にまつわる仕事をいろいろと。東京と長野で2拠点生活を謳歌中。

仮説と検証を繰り返すビズクリのブランディング

どのようにビズクリのブランディングを進めてきたのでしょうか?

田中

トライアンドエラーによって得た学びをサービスに活かしていくのがビズクリのスタンスです。仮説と検証をスピーディに繰り返すことで、よりよいサービスに磨かれていくと考え、ブランディングを進めてきました。

山口

当初、ビズクリ事業は「手軽に経営戦略がつくれるアプリをつくる」といったところからスタートしました。市場調査も兼ねて、実際に市場に投入してみると、正直あまり反応は芳しくありませんでした。一方で、「経営戦略」というキーワード自体は経営者の方に響いていたんです。

田中

「経営戦略の策定・実行の支援」には確かに価値があり需要もありますが、いかにニーズに沿ったサービスとしてかたちにできるか、そして多くの経営者に届けられるかが課題でした。「やりたいこと」をいかに顧客目線で再編集し、どんなブランド体験をつくり出すべきか。そうしたブランド開発の初期段階から本格的に私たちクリエイティブチームが関わるようになったんです。

小林

そこから、「ビズクリクラウド」のUI改善や「ビズクリナレッジ」の運用、「ビズクリサポート」「ビズクリメソッド実践講座」の立ち上げ支援、ブランドサイトのリニューアルなど、さまざまな取り組みを行いました。そうした中でビズクリのブランドとしての輪郭が生まれてきた気がします。

田中

実際にクリエイティブの観点で何かに取り組もうとすると「誰に対して・何を伝えるか」といった整理が欠かせません。そうした整理をともに続けながら、さまざまなアウトプットを制作していく中で、変えるべきこと・変えなくてもいいことが明らかになっていきました。

山口

「経営戦略の策定・実行の支援」という価値はそのままで、その価値をともに届けていく担い手として新たに「中小企業診断士」を巻き込もうという方向性が見えてきたのも、そうしたプロセスからでした。

田中

もともとはブランドサイトのリニューアルもクリエイティブチームの発案で取り組んだものでした。ブランディングの過程でサービスが拡充してきたこと、さらに今後もサービスの幅が広がっていくことを考えて、ブランドの進化を受けとめられるサイトにした方がいいと提案したんです。

小林

現時点ではまだビズクリは、進化し続けるための“器”ができた状態に過ぎません。これからトライアンドエラーを繰り返し、ブランドを大きく・強くしていければと思います。

左:シソーラス株式会社 田中 真(たなか しん)、 右:シソーラス株式会社 山口 聡海(やまぐち さとみ)

継続的に変化・発展していく土壌を、サービス開発・クリエイティブ制作でつくる

ビズクリのアップデートに、どのようにクリエイティブが寄与できると思いますか?

田中

クリエイティブの力を使うことで、ビズクリメンバー内での議論の活性化や意思統一が進み、より効率的で精度の高いアップデートが可能になると思っています。

具体的にどういったことでしょうか?

山口

言葉やビジュアルなどさまざまな表現手段を使って構想を可視化することで、「これは合っている」「これはこういう点で違う」といった議論ができるようになります。

小林

また、それぞれのアウトプットには明確な根拠があります。「どうしてこの言葉なのか」「どうしてこのビジュアルなのか」など、そのアウトプットに込めた戦略を説明することで、メンバー内でサービスに対しての理解が深まるんです。

田中

経営戦略も、クリエイティブも、「目的を設定して最適な手段を選んで実行する」という基本は通底していると考えています。ただ、アウトプットが異なるだけに過ぎません。今回は組織や事業ではなく、サービスやクリエイティブという私たちが得意な領域でした。私たちがブランドの構想をサービス開発やクリエイティブ制作といった手段でかたちにしていくことで、ビズクリメンバーも意見が言いやすくなったり納得感が生まれたり、一体感が醸成されていったように思います。

アウトプットだけでなくプロセスにも、クリエイティブの価値があるんですね。

田中

はい。ただ、まだまだやらないといけないことはあります。たとえば、ビズクリにおいて、AI活用はひとつのテーマとなっていますが、具体的にどのように活用していくかというイメージは人それぞれです。まずはAI活用というテーマにおける理解度を揃えたり、課題意識を共有していることが第一歩だと考えています。

小林

今後、経営コンサルティング業界でも、どんどんAI活用は進んでいくでしょうから、ビズクリ独自の活用方法を検討する必要がありますよね。

田中

その通りです。資本力のある大手コンサルティングファームが取り入れるようなAI活用の仕方をしていても、きっと淘汰されてしまうでしょう。どんな顧客・どんな課題・どんなシチュエーションで、どんな価値を提供すればいいのか。サービスとしてかたちにしつつ試行錯誤しながら、メンバー内で認識を揃えていけたらと思います。

山口

仮に上手くいかなかったとしても、「これは、こういう理由で上手くいかなかった」というアップデートする材料が手に入るはずです。「まずは一歩進んでみて、ダメだったら条件をアレンジしたり、方向転換しよう」という柔軟で前向きなマインドはビズクリのメンバー内に共通していると思います。

田中

短期的な視点ですぐに「失敗した」とするのではなく、中長期的な視点で「成功のための材料を得た」と捉えながら、継続的に変化・発展していく土壌を、サービス開発やクリエイティブ制作でつくっていきたいと思っています。

toishi 小林拓水

士業のあり方を変え、産業構造を変えるインパクトを

今後、ビズクリをどのように発展させていきたいですか?

田中

まだ世の中にないサービスへと進化させていきたいという想いがあります。誰かの人生や産業のあり方を変えるほどのインパクトを世の中に生み出したいです。

山口

そのための切り口のひとつが「士業×DX」という領域だと思っています。よく「士業の仕事はAIに取って代わる」と言われています。でも、実際はAIだけで士業の業務は完結しないでしょう。AIができるのは、あくまで単純な情報の処理でしかなく、複雑な判断は専門知識を有した士業のノウハウが欠かせないはずですから。

小林

おそらく今後、「士業が不要になる」どころか「AIを活用できる士業が不足する」時代が到来するのではないかとも思っています。そのような「士業×DX」の市場を担える人材を、いかに育てていけるかは、ビズクリのテーマになるかもしれません。

現在のビズクリでは「中小企業診断士」にフォーカスしていますが、さらに範囲を拡充していく可能性もあるんですね。

田中

はい。今後AIやデジタル技術が発展していく中で、士業をはじめとした経営支援者のあり方がどう変わっていくのか、誰も答えを持ち合わせていません。正解がなく、社会や産業のあり方が激しく変わり続ける中で、ビズクリはその都度、最適で確からしい道を示す役割になれたらと思います。新たな士業のあり方、経営支援のあり方をつくる上で、まず先頭に立つ存在が中小企業診断士なんです。

小林

もともと中小企業診断士の資格保有者に与えられるバッジにも荒波の中で航路を示す羅針盤のモチーフが採用されていますから。現状、中小企業診断士は、単なる「資格」としてしか捉えられていなくて、確固たる「職業」として捉えられていないように思います。こうした現状から「経営支援と言えば、中小企業診断士」という世界に変えていきたいと考えています。

山口

ビズクリが、経営支援や中小企業診断士のあり方を再定義できたらと思います。中小企業診断士にとってみたら、これまでとは全く異なる働き方や経営支援スタイルを獲得でき、企業の経営者にとってみたら、これまでとは全く異なる組織や事業へのインパクトを体感できる状態をつくりたいです。

田中

もしかしたら私たちが目指しているのは「コンサルティング」という既存産業の進化よりも「ビジネスクリエーション」という新たな産業の創出なのかもしれません。経営支援のビジネスモデルをどんどん変化・発展させていけたらと思います。

最後に、そんな未来を実現するために、これから取り組みたいことを教えてください。

田中

ビズクリが社会に提供したい価値を、もっと解像度高く描いて可視化し、世の中のさまざまなシーンで体験してもらうことです。

山口

ビズクリでは「中小企業が100年続く世界を実現したい」という想いがありますが、そのイメージは人によって違います。

小林

100年後にどんな状態で企業が存続しているのかと考えると、さまざまなパターンが出てきます。たとえば、業界内の淘汰が進んだ結果として自社だけ生き残ったのか、自分の業界が栄えたことで生き残ったのか、など。また、そもそも100年続くのがよいことなのかといった視点や、直接的に100年続く中小企業を増やしたいのか、それとも間接的に100年続きやすい環境を整えたいのか、といった視点もあります。

田中

言葉やビジュアルの力によって、ビズクリが目指す社会の姿をわかりやすく共有できるようにすることが、今の私たちの役割だと思います。そうすることで、よりビズクリのメンバー内で推進力が生まれたり、より多くの人を巻き込みやすくなると考えています。

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