1.1 質問回答形式による事業戦略の策定

質問回答形式による事業戦略の策定では6つのカテゴリについての質問に回答することで事業戦略を策定していくことができます。

それぞれのカテゴリでの質問では以下の内容についての質問に回答していきます。
事業戦略の入力例として、医療機関、医薬品業界向けにITソリューションを提供している企業を例に、アプリ画面上の質問への具体的な回答内容を紹介します。
質問に対する回答が3つより多くある場合には、ここでは <欄外の回答> として記載しています。

1.1.1 ビジョンの策定

あなたの会社の企業活動の目的(ミッション)を明確にし、その目的を達成した結果として何を実現するか(ビジョン)を明確にします。ミッションとビジョンを明確にするにあたって、あなたの会社の目指している価値観、行動指針を決めていきます。

【入力例】

あなたの会社が目指していること、実現したいことを教えてください

  • 情報・施設・機器など、医療のすべてのインターフェイスと体験を最適化することで、アクセシビリティとコミュニケーションを効率化し、患者・その家族・医師・エッセンシャルワーカーがより多くの時間向き合えることで、ひとりでも多くの人を救える世界を実現します。

目標を実現するためのあなたの会社の理想的な未来像を教えてください

  1. 医療での情報アクセスを容易にします。
  2. 正しい情報を適切なタイミングで得られるようにします。
  3. それによって素早く快適でより良い医療が提供される支援を行います。

ビジョンやミッションを達成するための価値観や行動指針を教えてください

  1. 課題にフォーカス:デザインとは「企てる」。私たちの仕事は、観察し課題を捉え解決すること。 様々な事象に興味を持ち、解像度を高めて違和感を捉え、既存のやり方をハックする。
  2. 現状の一歩先、外側に目を向ける:環境は常に複雑性を増しながら変化している。変化をいとわず、一歩先の未来、自身の外側に目を向けワクワクする仕事を見つける。今と未来、理想とのギャップを認識し、それを乗り越えるチャレンジをする。
  3. 複数プロフェッショナル:少なくとも1つ、2つ以上のプロフェッショナルスキルを持つ。パラレルスキルのマッシュアップによってあらゆる領域で私たちが課題解決する。クオリティ、スピード、ホスピタリティ、常にプロフェッショナルであることを意識する。

<欄外の回答>チームで再現する:チームだからこそ、ひとりでできることよりも大きな成果をあげられる。勘や主観に頼った仕事はしない。次も、そしてチームが再現できる仕事に組み立てる。再現性ある仕組みこそが私たちの未来を創る。

1.1.2 内部環境の分析

あなたの会社の内部にある特徴や強み・弱みについて考えます。競合他社と比較して、あなたの会社が持つ魅力的な点や、顧客への価値提供につながる経営資源(ヒト、モノ、カネ、情報)についても考えます。

【入力例】

あなたの会社の特徴について教えてください

  1. 当社は外資系製薬企業や国公立医療機関、研究機関、ヘルスケア企業向けにウェブマーケティング支援業務やシステムの受託開発を提供しています。

あなたの会社の強みについて教えてください

  1. 外資系製薬企業との関係構築や医療業界に特化したサービス提供ができる。
  2. 外資系製薬企業との良好な関係構築をしている。
  3. 業界動向や法規制に精通した専門知識を持っている。

あなたの会社の弱みについて教えてください

  1. 市場規模や顧客の多様性に制限がある。
  2. 技術革新への取り組みが不十分なところがある。
  3. 競合他社との差別化が十分でないところがある。

1.1.3 外部環境の分析

あなたの会社の外部にある特徴や機会・脅威について考えます。あなたの会社のビジネスが対象とする顧客の特徴や、競合他社、業界や市場の変化などについて考えます。

【入力例】

あなたの会社のビジネスが対象とする顧客の特徴を教えてください

  1. 当社の顧客は外資系製薬企業、国公立医療機関、研究機関、ヘルスケア企業であり、彼らはウェブマーケティングやシステム開発の専門知識やスキルを持っていないことが多く、外部の専門業者に依頼することが一般的。
  2. 顧客は、効果的なウェブマーケティング戦略や業務効率化・データ管理を求めている。

あなたの会社の競合他社について教えてください

  1. 同様にウェブマーケティング支援業務やシステム開発を提供する企業が競合となる。
  2. 競合企業は、国内外のITサービス企業、広告代理店、コンサルティングファームなどが挙げられる。
  3. 各企業のサービスの特徴や強み・弱み、市場シェア、顧客満足度などを比較検討することが重要。

あなたの会社にとって機会となりえる要因を教えてください

  1. 海外市場へ進出すること。
  2. 提携・協業による新たな顧客層の開拓をすること。
  3. 技術革新を取り入れたサービスを展開すること。

あなたの会社にとって脅威となりえる要因を教えてください

  1. 市場競争が激化すること。
  2. 規制変更によるビジネス環境が変化すること。
  3. 人材の不足やスキルが低下すること。

1.1.4 ビジネスモデル

製品やサービスの提供を通じて、顧客への価値提供の結果どのように収益を得るかを考えます。また、事業を実施するために必要なリソースや事業の活動を整理します。

【入力例】

どのような人々や企業をターゲットにしていますか?

  1. 外資系製薬企業
  2. 国公立医療機関
  3. 研究機関

<欄外の回答>
ヘルスケア企業

顧客に対して、どのような価値を提供するか教えてください

  1. 医療業界に特化したウェブマーケティング支援業務
  2. 医療機関向けシステムの受託開発
  3. 業界動向や法規制に精通した専門知識とサポート

製品・サービスをどのように知ってもらい買ってもらうのかを教えてください

  1. ウェブサイト
  2. メールマーケティング
  3. 業界イベントやセミナー

あなたの会社と顧客の関係を構築・維持するために行うべきことを教えてください

  1. 長期的なパートナーシップ構築
  2. カスタマーサポートとアフターサービス
  3. 定期的な顧客満足度調査

あなたの会社の収益源の内容や流れを教えてください

  1. ウェブマーケティング支援業務による収益
  2. システム開発プロジェクトによる収益
  3. サポートやメンテナンス契約による収益

顧客に価値を提供する際に、必要なリソースを教えてください

  1. ウェブマーケティングの専門家チーム
  2. システム開発の技術者チーム
  3. 業界に精通した営業担当者

顧客に価値を提供するためにやるべきことを教えてください

  1. ウェブマーケティング戦略立案・実行
  2. 医療機関向けシステム開発
  3. 新規顧客開拓や既存顧客のフォローアップ

あなたの会社にとって主要となるパートナーについて教えてください

  1. 外資系製薬企業
  2. 国公立医療機関
  3. 研究機関

顧客に価値を提供するために費やすコストを教えてください

  1. 人件費(社員の給与や研修費用)
  2. システム開発やウェブマーケティングに関するツールやライセンス費用
  3. 営業運営費(オフィスの家賃、光熱費、通信費)

1.1.5 戦略の策定

事業成功に必要な活動を財務の視点だけでなく、顧客の視点、業務プロセスの視点、人材と変革の視点から多角的に考えます。

【入力例】

財務の視点から、事業を成功させるために重要な活動は何がありますか?

  1. 収益の多様化:ウェブマーケティング支援業務やシステム開発以外にも、新たな収益源を開拓する。
  2. コスト効率化:業務プロセスの最適化や効率化により、運営費用を削減し利益率を向上させる。

顧客の視点から、事業を成功させるために重要な活動は何がありますか?

  1. 顧客満足度向上:継続的なサービス改善やフォローアップにより、顧客満足度を高める。
  2. 新規顧客獲得:提携・協業や海外進出を通じて、新規顧客の開拓を行う。

業務プロセスの視点から、事業を成功させるために重要な活動は何がありますか?

  1. 業務の効率化:プロジェクト管理手法やツールの導入で、業務プロセスを効率化する。
  2. 技術革新の取り込み:最新技術を取り入れたサービス開発やシステム改善を行う。

人材と変革の視点から、事業を成功させるために重要な活動は何がありますか?

  1. 人材開発:継続的な教育や研修を通じて、従業員のスキル向上を図る。
  2. 組織風土の変革:イノベーションや変革を促す組織風土を醸成し、持続的な成長を支える。

1.1.6 目標設定

事業成功に重要な業績評価指標を具体的に考えていきます。戦略の策定で考えた活動に沿って、財務の視点、顧客の視点、業務プロセスの視点、人材と変革の視点それぞれから目標を設定します。

【入力例】

財務の視点に関する重要業績評価指標(KPI)は何がありますか?

  1. 売上成長率
  2. 利益率

顧客の視点に関する重要業績評価指標(KPI)は何がありますか?

  1. 顧客満足度(CSATスコア)
  2. 新規顧客獲得数
  3.  提携・協業による収益割合

業務プロセスの視点に関する重要業績評価指標(KPI)は何がありますか?

  1. プロジェクトの完了率・納期遵守率
  2. オペレーションコスト削減率

人材プロセスの視点に関する重要業績評価指標(KPI)は何がありますか?

  1. 従業員のスキルアップ率(研修参加率やスキル評価スコア)
  2. 社員の定着率・離職率

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